第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇

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『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』名倉ディレクターインタビュー(後編)|『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』のディレクターを務める名倉氏のインタビュー後半をお届けする。『第2次Z』で強烈な印象をあたえた「ユーサー・インサラウム」や「スフィア」の誕生秘話、そして最終作に込めた想いなどなど、スパロボファン必読の内容だ。

2次Z』シリーズの「新帝国インペリウム」や「聖インサラウム王国」は
どのような経緯で誕生したのですか?

『第2次Z』は、多くの並行世界が『Z』での大時空震動の影響を受けたということを表現するという意図もあり、『Z』とは別の多元世界の話にするというのを最初に決めました。時空震動直後の混沌とした世界ではなく、混沌から少し抜け出し秩序が生まれはじめた世界を描こうと。そして、世界に新たな秩序がやっと完成しようとしたところで現れる、それを破壊する存在が「破界の王ガイオウ」です。そして、時空震動と異なり、意思を持った災厄である「ガイオウ」の傍らに立ち、自分たちの欲望を通そうとするのが「新帝国インペリウム」です。

その一員である「シオニー」は小さな自分の国をどうにかして守ろうとしていたのに、だんだんその想いと自分の中の抑圧されていた欲望がすり替わって破滅へと向かっていきました。単純に破壊をもたらす強烈な力を持った敵だけではなく、分不相応な力に翻弄された小さな人間がどうなってしまうのかを彼女を通して描きたかったのです。

そして『第2次Z』は二部作でしたので、第一部の『破界篇』で「ガイオウ」を立たせ、第二部の『再世篇』で決着をつけるつもりでした。

『再世篇』に登場する「聖インサラウム王国」は、外敵が襲ってくる世界で平和や秩序を守る存在が負けてしまったらどうなるのかを表す存在……言わば、負けた地球の姿です。

さらにその打開策として侵略という行為に手を染めてしまった「ユーサー・インサラウム」は、結局は全ての罪を自分が背負うことで事を納めようとします。でも、それでは決して事態はよくなりません。それは参戦作品に登場するキャラクターたちがかつて(自分たちの作品の中で)体現したことでもあるんです。

一度でも負けてしまったら取り返しがつかないことになるという恐怖と、それにあらがおうとしながらも道を誤ってしまったインサラウム……。それは二重の意味で困難に負けたものの姿ですが、それを悪とするだけではなく、悲劇として描こうとした意図がありました。

もし、自分達の地球がインサラウムと同様の事態になった時、果たしてどうするべきなのか……。それは『天獄篇』の展開にも影響を与えます。

実は「ユーサー・インサラウム」は途中までスフィア・リアクターとして描くつもりはありませんでした。ですが、描いているうちに彼の配下の騎士達と共にドラマ性が生まれていき、その強い意志や感情の表現としてスフィアを割り当てました。主人公クロウの仇敵でもあるマリリンと共に、僕にとっても印象の強いキャラクターです。

「スフィア」の名前があがりましたが、そもそも『Z』シリーズにおける
「スフィア」はどのように生まれたのでしょうか?

「スフィア」は『Z』シリーズを語る上で時空震動と並ぶ重要なキーワードです。

新しいシリーズを作るにあたって、象徴になるものや物語の焦点となるものが必要だと考えました。過去作でいえば『α』シリーズにおける「クロスゲート」「サイコドライバー」のような存在です。

大きな力の源であり、かつ個人ではないもの。人そのものだと、その人が死んでしまったら終わりなので、物品のような“狙ったり狙われたりするもの”が望ましいと考え、思いついたのが「スフィア」でした。

「スフィア」という名称をつけたのは、「球」が完全な形であるということとロボットのデザインに組み込みやすいという2つの理由からです。その上で、数は決まっていた方がよいとも考えました。その存在の上限が決まっていれば、幾つかが作中に登場したら残りはどうなっているのだろう? と想像してもらえますから。

12個という数については、登場キャラクターの性格設定や登場機体の設定として反映しやすいということで、黄道12星座をモチーフにすることにしたためです。これは「スフィア」に神秘的なイメージを持たせると同時に、それぞれのキャラクター像をイメージしやすくするという意図もありました。

「スフィア」もそうですが、Zシリーズではまだ語られていない謎が
たくさんあります。『天獄篇』では、それらは明らかにされるのでしょうか?

今までもプレイヤーのみなさんから「あそこはどうなっているの?」という質問をたくさんいただいていたのですが、ストーリーの展開上、どうしても明かすことできない部分がありました。

最初の『Z』や『第2次Z』に埋め込んでいたネタで、光を当ててないものもたくさんありますが、これまで伏せてきた謎や伏線としてまいてきた種は、今作で回収するつもりでシナリオを仕上げました。

プレイをしていただいたら、「あれにはそんな意味があったのか」と驚いていただける内容になっていると思います。

“最後”という言葉が出ましたが、『Z』シリーズ最終作のディレクターとして、
これだけはやりたかったことというのはありますか?

やはり、完結編ということで、これまでの集大成にしたいという気持ちが強かったです。

僕がメインで担当するシナリオについては、謎や伏線の回収については先ほど触れた通りですが、登場する各作品のキャラクター一人一人になるべくスポットを当てたいというのもありました。ストーリーに直接かかわらない場面でのキャラクター同士の掛け合いや、『時獄篇』から導入したエーストークのようなパイロット一人一人に光があたる場面を入れるようにしましたので、その辺りも楽しんでいただければ幸いです。

後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

『Z』シリーズは、結果的にとてもとても長いシリーズとなりました。プレイしてきてくださったみなさまには感謝の気持ちでいっぱいですので、この場を借りて、心からお礼を述べさせていただきます。本当にありがとうございました。また、本作を送り出せるのはこれまで応援してくださったみなさまのおかげです。

『スーパーロボット大戦Z』シリーズの完結編である『天獄篇』……みなさまの期待に応えられる作品になっていれば幸いです。

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